3つの質問

3つの質問に対する回答の比較からKENPOKUを知る

2016.10.20 伊藤公象
「愛と生成を図る襞」を昇華させる

3つの質問に一問一答形式で答えるインタビュー。様々な人たちの様々な「答え」から、KENPOKUの姿と楽しみ方をあぶり出します。第5回目は、アーティストの伊藤公象さんへの[3つの質問]です。

回答者伊藤公象
1932年石川県生まれ/茨城県在住
金沢美術工芸大学大学院客員教授。笠間焼など伝統的陶芸技法を取り入れつつ、土を素材とする立体造形、彫刻、版画を制作し、現代美術の中に新しい領域を切り拓いてきた。インド・トリエンナーレ(1978)、ヴェネチア・ビエンナーレ(1984)に参加したほか、茨城県陶芸美術館/東京都現代美術館では個展(2009)を開催。芸術祭では、「多軟面体」と呼ばれる襞状の陶造形を高萩市の穂積家住宅の庭園内に広範囲にわたって設置する。今回の作品はブルーパールの光沢のある加工が施され、空から降り注ぐ太陽光を受け、その光を乱反射させ発散させる装置として鑑賞するように意図されている。

Q1 県北を訪れて印象に残っていることは?

海側から山側へと県北を縦横に移動するドライブ

海側から山側へと県北を縦横に移動するドライブですね。

当初、作品の設置場所の候補地を2カ所に絞り、高萩の「穂積家住宅」を下見してから常陸大宮の旧美和中学校までを車で案内されたのですが、山間の道筋は思ったより苦にならず、むしろ自然の美観を楽しみました。笠間に住んで40数年になりますが、ビーフラインから常陸大宮で118号線に入り、北上して大子の袋田の滝へ。味覚の秋は葡萄に林檎狩り。そのあと山越えして旧日立鉱山の大煙突を見てかみね動物園などへ出かけたものです。

また、茨城街道(棚倉道)を下って常陸太田の里美から高萩の花貫ダムへ。山道の紅葉を堪能して太平洋に出ました。遠方の観覧者にはレンタカーでのドライブがお薦め、途中のアートシーンに触れると、きっといい思い出になりますよ。

Q2 あなたの作品の見どころは?

不穏な世相を払拭するかのような「愛と生成を図る襞」を昇華させる意図を持たせています

柔らかな陶土の塊を薄くスライスして即興的にくねり曲げて高温で焼き、青い真珠光沢を持つ単体約3,000ピースを茨城県指定文化財「穂積家住宅」の遊歩道沿いの庭4カ所に集合配置しました。日本の伝統の慶事に使われる松竹梅の樹がある庭に3カ所、広い庭には直径8m強の大円内に集合させています。陽光や雨など自然の大気を浴び、同時に無数とも言える曲面を持つブルーパールの集合体からは、不穏な世相を払拭するかのような「愛と生成を図る襞」を昇華させる意図を持たせています。また、生命あるものの特徴でもある同相でも差異のある曲面の集合体は、太陽光の乱反射と拡散をもたらし、新たなエネルギーを生む装置として連想を誘うようです。

タイトルを Pearl Blueの襞—空へ・ソラから— としました。

Q3 芸術祭を楽しむために何か1つ持っていくとしたら?

カメラ

カメラでしょう!

美と想像の世界を切り取る。素晴らしい機会だと思われるのです。

どんなカメラでもいい、アートシーンを詰め込んだ宝箱として、あなたの手元に残してください。

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